
スタンダ−ドは、その品種の理想的な姿について詳細にわたり記述しています。
そして、ブリ−ダ−がその理想の姿に近づける努力を出来る指針として存在しています。
スタンダ−ドは多くの猫を認めるために安易に修正されるべきではありません。
望ましいスタンダ−ドとは、その品種特性を主張する一方、その将来性そしてその特性の改良をめざすものでなければなりません。
すべての品種おいて、完全な総合体として評価するべきであり、各部位はその集合体の一部として、初めて評価されます(1枚の絵画のように)。
明かな失格事項をもたない限り、ジャッジ達は、その判断のもとに猫を「1枚の絵画」として評価を下すことでしょう。
現行の1987年施行のASHに関するスタンダ−ドは、この品種をアメリカの歴史ある唯一のワ−キング・キャットとして保護してゆくために作られました。
スタンダ−ドは、第1にハンタ−としての能力を維持するために必要な特徴を記述しています。
全体的イメ−ジ(ボディの形、プロポ−ション、大きさ、骨格、尾の長さ)について30ポイントを与えています。
ハンタ−として最もバランスの良い体型が望まれます。
胴体の長さは中位で体高よりもわずかに長く、ボディは肩部・胴体部・腰部に3等分されるイメージを与えます。よく発達した肩部の肩幅と後ろ足の幅は同一です。
リラックスして立っているとき、後ろ足はやや曲がり、その発達した骨格が横から見るとよくわかります。
ASHは十分に発達した骨格、力強い筋肉、バネの効いた発達した下半身、機敏な運動能力、ジャンプ力を持ちます。
発達した肩甲骨(肩部)と上腕骨は、猫を前から見たときの力強い印象を作りあげます。
ASHの短い胴体部は、食物が充分でなかった時代に新陳代謝の節約として適応したものと考えられています。
また、短い胴体部は背筋への負担を減少させ、猫の全体的な筋力とスピ−ドをアップさせます。
この体型は自然界においてはクオ−タ−ホ−スの様な敏捷な動物に共通して見受けられる特徴です。
ただし、この短い胴体部をコビ−タイプ(短い足を持ち、全体的に胴の短いタイプ)と混同してはなりません。
体高よりもわずかに長い胴体部を持ち、中位の長さの足を持ちます。
ボディは力強く、また良く発達した肩部(肩胛骨の間が広い)を持ちます。この幅が不十分な場合、その動作は制限されます。
狭い肩幅と広い胸の組み合わせは、ちょうどブルドックの様な立ち方をするバ−ミ−ズの体型になってしまいます。
また背中は広く平坦で、ゆるやかに腰へと続きます。
尻(腰骨から尾の付け根までの部分)は、しなやかで後ろ足の動きをスム−ズにするため、わずかな傾斜を持ちます。
脚部は中位の長さと太さですが、重厚な筋肉に被われています。
長すぎる足も不器用さが目立ちますが、短すぎる足もまた効率的とはいえません。そこで中位の長さが選択されました。
脚部の骨は、その猫が持つ骨格及びプロポ−ションとバランスのとれたものが選択されます。
重量感のある筋肉質と、脂肪によって太って重いだけの猫を混同してはなりません。
重たい猫が必ずしも重い骨格(Big bone ビッグボーン)を持つとは限らないのです。
初期の頃のアメリカンショートヘアー達は、ほとんどが重い骨格を持っていました。
しかし、ブリ−ダ−達が毛色やカラ−パタ−ンや鼻の形などにやっきになっている間に、この点については忘れ去られてしまいました。
ところがすばらしい骨格を昔、持っていたことが再び着目されたのです。
しかし、現状では重厚な骨格を持つ猫があまりにも少ないため、ブリ−ダ−達はスタンダ−ドにおいては中位の骨格を選びました。
これはワ−キング・キャットとしてASHを残して行く上で、バランスがとれていればそんなに悪い妥協ではなかったように思えます。
コ−トは密度が高く、硬い手触りです。
ただし、硬いといっても荒く針金の様ではありません。1本1本の毛質は弾力を持ち輝いています。
感触は最高級のミンクの様ですが、後方に撫でつけたときに抵抗する弾力を持ちます(Snapbackスナップバック)理想的なコ−トはほとんど水を通しません。
このようなコ−トを持つASHは、コ−トを濡らすことがむずかしく、またシャンプ−の際もすぐに乾きます。ところが、ほとんどのブリ−ダ−達はヘッドタイプやカラ−に夢中になっているうちに、このすばらしい特性を自分達のgene pool の中から失いかけています。
しかし、このすばらしい特性を守ることについては誰も反論はないことと考えます。
マズルはスクエア(四角い)で力強さが要求されます。
よく発達した鼻孔部を伴う鼻は、強いマズルとバランスのとれる大きさが要求されます。
顎は力強く獲物をとるのに充分な長さを持ちます。適正な噛み合わせは、健康的な口部を形成します。
アンダ−ショットでもオ−バ−ショットでも獲物を採る際の妨げになりますし、食べ物もやわらかいものしか食べることが出来なくなります。
また噛み合わせは、猫の頭の形に大きく影響します。もし顎が不適性な場合、横顔において上唇と顎先のラインは垂直になりません。
ジャッジはエントリ−されたすべての猫の歯をいちいちチェックする必要はありません。
顎が不適正な場合、アンダ−ショットかあるいはオ−バ−ショットという失格枠にあてはまるか、それとも単に顎先が細いのかを判断するだけで充分です。
いままでに太鼓腹のASHに関しては、数多くの論争を生んできました(その特徴が誤りか、あるいは何らかの理由によるかどちらかについて)。
腹部の皮のたるみは腹部を攻撃された場合に、内臓を守る意味での重要な特徴なのです。
もちろん程度の問題で、ゆるんだ腹筋のために垂れ下がったお腹の皮を猫ゥ身が踏んでしまうようでは困りますが・・・。
繧「腹筋では体を屈曲出来ませんので、ジャンプすることが出来ません。またヘルニアの原因にもなります。
ASHのスタンダ−ドにおいては、いかなる特徴においても弱点を助長するようなものは、認めていません。
どのような品種においても、他の品種と区別できる大きな特徴を備えています。もちろんASHにおいてもそうです。
ボディプロポ−ションとボディのトップラインについては、すでに記述してきました。
他の特徴的な点として、スクエアなマズルと共に良く横に張った頬によって作られる四角い顔(楕円形の顔)があります。
中位の耳は目の幅の2倍の幅にセットされます。(下写真の左から順に、良い〜中程度〜悪い)



また、目の中央の高さでちょうど顔は上下に2等分されます。
頭部の横顔においては、前頭部から鼻先にかけてのなだらかなカ−ブが描かれています。
もちろん、最も特徴な上下非対象なシェイプを持つ目(大きく開かれた目で上瞼はアーモンド型、下瞼は丸くラウンドしています)があげられます。
その他のユニ−クな特徴として、先で切ったかのように終わる尾があります。
これらの特徴を満たしているとき、もし紫色に猫が塗ってあったとしても、あなたはその猫がASHであることが分かることと思います。
失格事項についてですが、いかなるハイブリッドの兆候が見られても失格となります。
例えば、長くフワフワした毛(パ−ジャン)、深い鼻のブレイク(パ−ジャン、バ−ミ−ズ、エキゾチック)、褐色がかった背中(バ−ミ−ズ)があげられます。
もしこれらの兆候が見られた場合、その猫の血統を知る必要はありません。ASHにおいてハイブリッドの兆候が見られた場合、即座に失格とすべきです。
他のハイブリッドの特色として、サイアミ−ズカラ−や耳折れなどもあげられますが、見つけた場合、失格となります。
曲がった尾、足の指の数の誤り、白いロケットあるいはボタンのある尾については、多くの品種においても失格になります。
噛み合わせについてはすでに記述しました。太りすぎあるいは痩せすぎによる失格の判断はジャッジの裁定にゆだねます。
このコラムの最後に名言をお教えしましょう。1960年代後半にJane Martinkeは彼女のASHに関するスタンダ−ドの中でこう記述しています。
「いかなる特質も、弱さを助長するものであってはならない。」